マウスピース矯正とブラケット矯正。矯正治療を検討している方は何が違うのか気になる方も多いでしょう。今回はマウスピース矯正とブラケット矯正の違いを解説します。

■マウスピース矯正とブラケット矯正とは

マウスピース矯正とブラケット矯正は、歯を動かす仕組みと特徴が異なります。

◎マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製のマウスピースを歯に装着して、歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。マウスピースは歯型に合わせてオーダーメイドで作られ、2週間ごとに新しいものに交換していきます。マウスピースは自分で取り外しができるため、食事や歯磨きの際に外すことができます。ただし、1日に20時間以上は装着する必要があります。

◎ブラケット矯正

ブラケット矯正とは、金属やセラミックなどでできたブラケットという器具を歯に装着して、ワイヤーを通して力を加えることで歯を動かしていく矯正方法です。ブラケットとワイヤーは自分では外せないため、24時間ずっと付けている必要があります。定期的に歯科医院でワイヤーの調整をすることで、歯を理想の位置に導いていきます。

■マウスピース矯正とブラケット矯正のメリット・デメリット

それぞれの矯正方法にはメリットとデメリットがあります。

◎マウスピース矯正のメリット

・目立たない

・取り外しができる

・金属アレルギーの心配がない

・痛みが少ない

・むし歯治療なども並行できる

◎マウスピース矯正のデメリット

・複雑な歯並びには対応が難しい

・長時間の着用が必要

◎ブラケット矯正のメリット

・どんな歯並びにも対応できる

・計画通りに治療が進みやすい

◎ブラケット矯正のデメリット

・目立つ、取り外しができない

・金属アレルギーのリスクがある

・痛みや口内炎が起こりやすい

■マウスピース矯正とブラケット矯正の比較

◎装置の目立ち方

○ブラケット矯正

ブラケット矯正の場合は金属のブラケットとワイヤーを装着するため目立ちます。しかし、半透明や白色のブラケットやワイヤーを使用することで目立ちにくくすることもできます。また、歯の裏側に装置をつける舌側（裏側）矯正もあります。

○マウスピース矯正

マウスピース矯正は、装置が透明で薄いため目立ちません。インビザライン矯正の場合は歯の表面にアタッチメントと呼ばれる突起を取り付けることがありますが、こちらも白く小さなもので、目立ちません。

◎痛み

どちらの方法でも歯を動かす際にはある程度の痛みや違和感が生じますが、個人差はあります。

○ブラケット矯正

一般的には、ブラケット矯正では調整ごとに大きな力をかけるため、痛みが強くなりやすいです。また、装置が当たって口内炎や傷ができることもあります。

○マウスピース矯正

マウスピース矯正では、微弱な力を持続的にかけるため、痛みは比較的少ないと言われています。

◎治療期間

治療期間は歯並びの状態によって異なりますが、矯正方法による差はあまりありません。どちらの方法でも、患者さんの協力が必要です。ブラケット矯正では定期的な通院と装置のケア、マウスピース矯正では1日20時間以上の装着が必要です。

◎対応できる歯並び

○ブラケット矯正

基本的にどんな歯並びにも対応できます。

○マウスピース矯正

軽度から中度の歯並びの乱れに対応できます。そのため重度の歯並びや噛み合わせの問題には対応できない場合があります。

■マウスピース矯正とブラケット矯正それぞれこんな方におすすめ

◎マウスピース矯正に向いている人

・目立たない矯正を希望

・楽器の演奏、格闘技などをしている

・セラミッククラウンやインプラントなどがある

・痛みに弱い

・金属アレルギーがある

◎ブラケット矯正に向いている人

・歯並びが複雑で大きく歯を動かす必要がある

・着脱式の装置が面倒だと感じる

【歯科医師と相談して決めましょう】

マウスピース矯正とブラケット矯正は、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の歯並びの状態や目的、予算などに合わせて、最適な矯正方法を選ぶことが大切です。歯科医師と相談しながら、自分に合った矯正治療を始めましょう。