金属アレルギーをお持ちの方でも、矯正治療は可能です。
近年、矯正装置の素材や技術が進化し、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられる選択肢が増えています。
目次
■金属アレルギーの方でも矯正治療を受けられる方法
◎マウスピース矯正
透明なマウスピース型の矯正装置を使用する方法です。マウスピースはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで作られており、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。
歯並びの形が異なるマウスピースを1~2週間ごとに装着・交換していくことで、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。
◎セラミックやプラスチック製のブラケット
ブラケット矯正で使用するブラケットを、金属ではなくセラミックやプラスチック製のものに変更する方法です。
これにより、金属アレルギーのリスクを軽減できます。ただし、ワイヤー自体は金属製の場合が多いため、使用する金属の種類について歯科医師と相談することが重要です。
◎チタン製の矯正装置
チタンは金属アレルギーを起こしにくい素材として知られています。チタン製のワイヤーやブラケットを使用することで、金属アレルギーのリスクを低減できます。ただし、チタンでもアレルギー反応が出る場合があるため、事前の検査が推奨されます。
■金属アレルギーか確認する方法
金属アレルギーの有無は、パッチテストという検査で調べることができます。
背中などにアレルギーの原因と考えられる金属を含んだ試薬テープを貼り付け、2日後・3日後・7日後と3回に分けて経過を観察し、皮膚にアレルギー反応が起きるかどうかを判定します。
検査中の期間は入浴が制限されるほか、パッチテストをしている部位を締め付けるような服装は避ける必要があります。
また、アレルギー反応がある場合は強い痒みが生じるため、予定はなるべく入れない方がよいでしょう。パ
ッチテストはアレルギー科や皮膚科などで取り扱っています。パッチテストを実施していても受けたい金属の検査を取り扱っていないケースもありますので、事前に医療機関に確認するようにしましょう。
■金属アレルギーの方が矯正治療を受ける際の注意点
◎事前の検査
金属アレルギーの有無や、どの金属に反応するかを確認するために、パッチテストを受けることが推奨されます。
◎歯科医師との相談
矯正装置の素材や治療方法について、歯科医師と十分に相談し、自身のアレルギー状況に適した方法を選択することが重要です。
◎治療中の経過観察
矯正治療中に口内炎や唇の腫れ、皮膚炎などの症状が現れた場合、速やかに歯科医師に相談し、適切な対応を取ることが必要です。
【金属アレルギーの方もご相談ください】
金属アレルギーは、これまで自覚症状がなかった方でも、矯正装置の装着により発症する可能性があります。
しかし、金属アレルギーがあっても、適切な矯正装置の選択と歯科医師との連携により、安全に矯正治療を受けることが可能です。自身のアレルギー状況を正確に把握し、適切な対応を取ることで、安心して治療を進めることができます。