お子様の歯並びが気になったとき、矯正治療を考える方は多いでしょう。その中でも「マイオブレース(Myobrace)」は、単なる歯列矯正ではなく、口周りの筋肉のバランスを整え、歯並びが悪くなる原因を改善する治療法として注目されています。
また、同じく「口腔筋機能矯正装置」として知られる「プレオルソ」との違いも気になるところです。今回は、マイオブレース矯正とはどのような治療なのか、プレオルソとの違いも含めて解説します。
目次
■マイオブレース(Myobrace)とは?
マイオブレースは、従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正とは異なり、歯並びが悪くなる根本的な原因を取り除くことを目的とした矯正治療です。
歯がガタガタになる原因の多くは、舌の位置、口呼吸、唇や頬の筋肉のバランスの乱れによるものです。マイオブレースは、このような問題を改善することで、自然に歯がきれいに並ぶ環境を整えます。
◎マイオブレースの特徴
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取り外し可能なマウスピース型の装置を使用する
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顎の成長を利用しながら歯並びを整える
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日中1~2時間と就寝時に装着するだけ(1日12時間が目標)
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舌のトレーニングや口呼吸改善の指導を並行して行う
この装置を使用することで、舌の正しい位置を習得し、口呼吸を改善しながら、顎の発育を促して歯が並ぶスペースを確保します。一般的に3歳頃から使用可能で、永久歯が生えそろう前に始めることで、将来的に抜歯を伴う矯正治療を回避できる可能性が高まります。
■プレオルソとは?
プレオルソもマイオブレースと同じく、口腔筋機能矯正装置に分類される装置です。取り外し可能なマウスピース型の装置で、乳歯と永久歯が混在する時期に使用されることが多いです。
◎プレオルソの特徴
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取り外し可能なシンプルなマウスピース型装置
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口周りの筋肉のバランスを整えることで歯並びを改善
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日中1〜2時間と就寝時に装着するだけ(1日12時間が目標)
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主に噛み合わせの改善や軽度の歯並びの乱れの矯正に使用
プレオルソは、受け口(反対咬合)や軽度の出っ歯、歯列の乱れの改善に適しています。また、装着するだけでなく、正しい舌の位置を意識するトレーニングも並行して行うことで、より効果を高めることができます。
■マイオブレースとプレオルソの違い
マイオブレースとプレオルソはどちらも「口腔筋機能矯正装置」として知られていますが、それぞれの目的や治療方法には違いがあります。
◎治療の目的の違い
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マイオブレース
歯並びが悪くなる原因(口呼吸・舌の位置・頬や唇の筋肉の使い方)を改善し、顎の発育をコントロールすることで歯列を整える。
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プレオルソ
軽度の歯並びの乱れや噛み合わせのズレを補正しながら、口周りの筋肉を整える。
◎装置の違い
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マイオブレース
装置の種類が複数あり、治療段階に応じて異なる装置を使用する。
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プレオルソ
1つの装置でシンプルな治療を行う。
◎適応年齢の違い
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マイオブレース
3歳頃から使用可能。顎の成長を利用しながら長期的に歯並びを整える。
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プレオルソ
6〜10歳頃に使用。乳歯と永久歯の混合歯列期に噛み合わせのズレを改善することが主な目的。
◎治療期間の違い
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マイオブレース
数年単位で継続的に使用しながら、口腔習癖の改善を行う。
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プレオルソ
比較的短期間(1〜2年程度)での使用が多い。
【お子様に適した矯正装置を選びましょう】
マイオブレースとプレオルソは、どちらも「口腔筋機能矯正装置」として、歯並びだけでなく、口呼吸や舌の使い方を改善するための矯正治療です。どちらを選ぶべきかについては、お子様の歯並びの状態や成長段階によって変わります。早い段階で適切な治療を開始することで、将来的な矯正の負担を減らすことができるため、気になる方はお気軽にご相談ください。