透明で目立たず、取り外しもできるマウスピース矯正(インビザライン)は、メリットの多い矯正方法のひとつです。しかし、治療成功のカギを握るのが“装着時間”。
「つい外してしまった」「仕事中は外したままにしていた」など、装着時間を守れなかったことに不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
今回は「装着時間が足りない・守れないとどうなるの?」「どうしたら続けられるの?」というお悩みにお答えします。
目次
■インビザラインの装着時間|推奨されるのは1日20~22時間
インビザラインの公式では、1日20~22時間の装着が推奨されています。これは、1日の中で食事や歯磨きの時間以外は、常にマウスピースを装着しているという状態。
取り外しが可能な分、患者様自身の管理に委ねられるため、きちんと装着していないと治療効果が出にくいというデメリットがあります。
たとえば、1日18時間の装着を続けてしまうと、1ヶ月で60時間、つまり約2日半も「装着していない」時間があることになります。これが歯の移動に影響を及ぼしてしまうことは、想像に難くありません。
■装着時間が足りないとどうなる?
◎治療が計画通りに進まなくなる
歯は、マウスピースの圧力によって少しずつ移動しますが、圧力が断続的だったり弱すぎたりすると、移動がスムーズにいきません。予定された期間では治療が終わらず、治療期間が延びることにつながります。
◎次のアライナーが合わなくなる
十分に歯が動かないうちに次のマウスピースへ進んでしまうと、マウスピースが歯にフィットしなくなります。「浮き」が出たり、装着しても痛みを感じたりするケースもあります。
その場合は、前のステップのマウスピースに戻る、再スキャンして作り直す、といった調整が必要になり、これも治療の遅れや追加費用の原因になります。
◎後戻りや歯の不安定化
装着時間が短いと、せっかく動いた歯が元に戻ろうとする「後戻り」が起きやすくなります。歯の位置が安定しないまま進行していくと、理想の仕上がりにならないこともあるため、注意が必要です。
■装着時間を守る工夫
◎アラームやタイマーで“習慣化”を支援
スマートフォンのリマインダー機能を使って、食事後の再装着を忘れないように設定するのがおすすめ。最初のうちは「装着忘れ」が起きやすいので、意識的に習慣づけましょう。
◎食事時間・歯磨き時間を意識して短縮
マウスピースを外している時間をできるだけ短くするのもポイント。だらだらと長時間つけずにいると、あっという間に装着時間が足りなくなります。特におやつの頻度が高い方は、回数をまとめるなどの工夫が必要です。
◎マウスピースケースは常に携帯
外したまま置き忘れてしまったり、衛生面が気になって装着をためらってしまったりしないよう、専用ケースを常に持ち歩きましょう。清潔に保てるポータブルタイプの洗浄液もおすすめです。
■装着時間を守れなかった日はどうしたらいい?
◎装着時間を“取り戻す”意識を持つ
「今日は少し足りなかった」と気づいたら、翌日はできるだけフル装着を心がけてリカバリーしましょう。
◎次のマウスピースへの切り替えを延ばす
装着時間が足りなかったと感じた日は、次のアライナーに切り替える日を1~2日延ばして、今のアライナーでしっかり歯を動かしてから進めるのも手です。
ただし独断では判断が難しい場合もあるので、不安な場合はかかりつけの歯科医院に相談しましょう。
【「マウスピースの装着時間を守れるかどうか」が治療成功のカギ】
マウスピース矯正は、その快適さや見た目の自然さから人気がありますが、「装着時間を守る」という一見地味なルールが、治療の成功に直結します。
取り外しができる=自由度が高い反面、装着時間を管理する責任が患者様に委ねられるという難しさもあります。しかし、毎日の積み重ねが確実に結果につながるのがインビザライン。装着時間がしっかり確保できていれば、目に見える変化を実感できるはずです。
ご不明な点があれば、お気軽にご相談くださいね。